≪大口倒産≫ ☆大口倒産(負債総額10億円以上) 負債10億円以上の大口倒産は、2か月ぶりに発生しなかった。 ≪今後の見通し≫ ☆建設業を中心に、件数は高水準で推移する可能性が高い 県内の倒産は、8月は18件と2か月連続の増加、今年では3月に次ぎ、5月と並んで2番目の多さで、前年同月比では、発生した業種全てで増加または同数となり、合計で8件増加した。負債は10億円以上の大型倒産が2件発生した7月からは減少したものの、前年同月比では件数に比例する形で7億70百万円増加した。運輸業を始め、幅広い業種に影響する原油価格は、近時、多少落ち着きを見せているものの予断を許さず、物価上昇や先行きへの不透明感による消費マインドの冷え込みもあってか、百貨店やスーパーの売上高は前年割れの状態にある。製造業は依然として繊維は低水準で、造船、自動車、鉄鋼等は高操業を続けているものの、原材料価格の動向との兼ね合いもあり、利益見通しには不透明感が増している。全国的に不動産や建設業の倒産が増加している中で、県内の建設業も同様の傾向にある。公共事業削減や改正建築基準法施行、材料高に加え、金融機関の業界に対する融資姿勢、審査の厳格化の影響も指摘される他、今後、大手ディベロッパーやゼネコンの倒産による余波が顕在化する可能性も有している。また、販売不振による売上不足や材料高などによる収益悪化から、厳しい資金繰りを余儀なくされている中小企業は少なくはない。こうした状況から、建設業を中心に倒産件数は高水準で推移する可能性は高いといわざるを得ず、引き続き十分に警戒していく必要がある。 |